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デヴィッド・ボウイとクリスチーネFの思い出   

デヴィッド・ボウイとクリスチーネFの思い出_f0036028_16405691.jpg1月は誕生月でもあるので、一年の振り返りや次の目標を定めることも多いのですが、今年は、半生を振り返る、という大きなスパンで振り返ってみたら、今回は意外な発見がありました。

それは、どんな時であろうと、いつも遊びや楽しみの時間は、自分で思っていた以上に、結構たくさん取っていたという事実でした。自分ではやや禁欲的、と思っていたけれど、全くそうではなかったというか、それがないと生きていけない、というぐらいに、遊び心や遊ぶ時間は自分にとってなくてはならないものでした。

だから楽しむことをまるで贅沢や悪のように思っているかのような両親の考え方とは元々持って生まれたものが違っていたのかと感じるとともに、自分がどこか異星人のような存在のように感じていたことも、幾分かは本来の性質のためでもありかな、という気がしてきました。

小さな頃からどこか宇宙的な広い空間を感じさせる雰囲気のものにいつも惹かれていました。7歳頃は、絵本よりも銀河系の星の写真図巻に夢中だったし、初めて見た映画は小学生の時の「スター・ウォーズ」。途中で寝てしまいましたが…。

中学生の頃は、デヴィッド・ボウイのファンで、特に昔の作品、「Ziggy Stardust」や「Life on Mars?」、「Space Oditty」など宇宙っぽいテーマの曲のメロディーから流れる何ともいえない哀愁感が大好きでした。当時の彼のステージ衣装や姿は、さすがに同時代ではないので奇妙としか思えませんでしたが、ほとばしるエネルギーはティーン向けだったのでしょうね。

「Ashes to Ashes」の曲のPVも大好きで、なんだかよくわからない宇宙っぽいシュールな映像は、今見ると変ですが、当時はとても新しく感じました。「Let's Dance」の頃からのDavid Bowieは宇宙的で異星人的な雰囲気がなくなったのでそんなにファンではなくなり、大人になってからはティン・マシーンの頃まではCDを買って聞いていた、という程度のファンでした。彼の出演した映画も欠かさず見てはいたけれど、映画の印象はほとんど残っていないので、やっぱり歌とその独創的な世界観が好きだったのかも。厭世的でありながら、芸術的で革新的な歌は、どこか哲学的で、宇宙や人類といった空間を感じさせる歌の数々は、水瓶座人間にとっても理想的なのかも。余談ですが、1947年1月8日生まれのデヴィッド・ボウイも、ASCは水瓶座です。

私にとって、唯一、デヴィッド・ボウイが出演した映画の中で印象的だったのは、「クリスチーネF」という14歳の女の子が麻薬に溺れていく姿を描いた、実際の話を元に作られたドイツ映画でした。主人公が自分と同年齢だった(確か私も13か14だったので)ので、ある意味、衝撃的ですらあり、こんな世界があるのだ、という驚きが大きかったです。この映画を見終わった後、映画の重苦しさを振り払うかのように、友人が、「あの主人公の女の子、実生活では優等生なんだって。」と話しかけてきたのに対し、「そりゃそうでなきゃ映画に出れないよね。」というようなことを確か答えて、後で友人と映画について色々語りあったことをおぼろげに覚えています。映画のパンフを買い、様々な麻薬の違いや副作用とかそんなことをなぜか熱心に読んでいて、いかに恐ろしいものかということを映画と共に感じていたけれど、David Bowieもドラッグに溺れていたんだっけと思ったり、この映画から漂う何かが自分を魅了していたことは確かです。この映画に流れる「Heroes」の音楽は、憂いあるメロディーの中に希望がみえる歌詞が何ともいえず魅力的です。

確か同じ頃、ソフィー・マルソー主演のフランス映画を見て、こちらも同年齢の女の子が主人公だったのに、どうでもいいくだらない恋愛映画、としかその時思わなかったので、自分の好きな世界というのは、明るさよりも、ややマニアックな厭世的な世界だったのだなあと思います。

なつかしの話と共に、YouTubeでの「クリスチーネF」の映像をどうぞ。


ついでにこの映画でも使われていたDavid Bowieの「Look Back in Anger」も一緒に。PVが出回り始めた頃に制作されたものなので、時代を感じるけれども、最後の方で、顔に絵の具がついていく様子とか、シンプルながら今でも通じる芸術性が漂っててなかなかいいです。

by glaurie | 2011-01-26 21:19 | 音楽・映画

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